チョコレートの香水を嗅ぎまくってきた話。(前編)

2020年7月22日水曜日

チョコ香水のこと

t f B! P L
 
私が香水を最後に手に取ったのは、もう10年以上前。高校生の頃だったと思います。
あの頃、少しでも大人になりたくて、背伸びをしていた私達にとって、香水は『よくわからないけどキラキラした魅力を持った何か』でした。

結局、その魅力に自分が釣り合わない気がして、毎日使うような習慣も出来ず。今に至ります。


さて、香水との思い出はそんなところに留まる私、先日、チョコレートの香りのフレグランスが存在することを知り、数10年ぶりに香水に興味がわきました。

(チョコの香り、是非嗅いでみたい…)

自分で調べるには限界があるため、香水好きの友人に相談してみることに…。

【香水好きの友人から、いろはを学ぶ】


普段から香水が好きなことを公言していた友人に経緯を話すと、

『香水ってイメージだけで嫌煙されることあるけど、ちゃんとシーンに合わせてつけてあげたら立派な身嗜みになるし、理解者が増えるの嬉しいー!チョコ屋さんなんだよね!これ今使ってないからあげる!』

いきなり手に入ってしまったチョコ香水…


初めてのチョコ香水、頂いたのはこちら。

キャロライナへレラ グッドガール




トップノート:ベルガモット、レモン、アーモンド、コーヒー

ミドルノート:サンバックジャスミン、チュベローズ、オリス、ブルガリアンローズ、オレンジブロッサム

ラストノート:トンカビーンズ、カカオ、サンダルウッド、シダーウッド、バニラ、プラリネ、シナモン、パチョリ、アンバー、カシミア、ムスク


最初はフルーティで爽やかな香りなんだけど、あとからぐーん!!と甘くなって、ほんとに美味しそうなチョコレートの香りがしてくる( ゚д゚)

プラリネやバニラがしっかり香るミルクチョコレートのイメージ。甘い。大変小悪魔っぽい。

香りって時間経過でこんなに変わるんだ?!?!と驚き… 


ここでめちゃくちゃ興味が増して、

個人的に香水のことを調べるようになります。

後日、もらった香水の感想と共に、もっと知識を深めたくなったことを友人に伝えると…


『嬉しーい!アトマイザーいっぱいあるから貸してあげるよ!』

ザラザラザラ…と音を立てて出てくるアトマイザーの山…😇✨

出てきた大量のアトマイザーを嗅ぎ分けつつ(笑)、友人なりに香水に慣れるまでにやってきたことを教えてくれました。 

【自分好みの香水に出会うための近道】

【①香水そのもののことをまずは調べる】

『香水!って言っても何買えばいいか分からなさ過ぎない?とりあえず世間に出てるものをなんとなく調べたよ!香水が好きな人のブログとか口コミとか!

この時点で気になるものがあったら買ってみてもOK!それも経験値になる!』


【②アロマ屋さんなどに行って精油の匂いを嗅ぐ】

『説明に載ってる名前だけじゃ判断がつかない香りにある程度検討をつける感じ?

精油が置いてあるお店なら試香出来るから、一度鼻に入れてみて、自分が受け付ける匂い、絶対ムリな匂いを探す!

無理な匂いが入ってる香水は避けて、好きな匂いの入った香水を選んでいくと、好みから大幅に外れることは防げる!

好きな香りの香水は、中に何の匂いが入ってるのか覚えておくといいよ』


【③②を参考に、自分がつけたい香りのイメージに近い香水を調べてリストアップし、サンプルを試せるお店に行く】

『お店に直接行ってもいいし、ネットでアトマイザーをお取り寄せ出来るショップもあるよ。

そういうところで香りを試して、自分の好きな香りの種類と嗅覚を、どんどんアップデートしていく感じ。最終的に、ビビッときたやつを大瓶で買う!』



なるほど、私が昔香水に手を出した時は、①の段階で止まっていたことが分かりました。

周りの評判や瓶の見た目で買うんじゃなく、まずは自分の好きな香り、受け付けない香りを知ることから始めなければいけなかったのですね…


『香水って実際肌に乗せてみるまで、どんな香りになるか分からないから!

お店で嗅がせてもらうときは、ムエットって言う紙に香水を吹きつけてもらえるんだけど、その香りで即決しちゃだめ!

気になる香りは、最後に肌に乗せてもらって、家に帰るまで鼻で香りを追ってからにするんだよ!


めちゃくちゃ熱く語られました。笑

(彼女はアドバイザーでもなんでもない素人です)


『自分が好きな香りを知ろうと思うと、自ずと自分と向き合うことになるから、いろいろ試してるうちに新しい自分が見つかったりして、凄く面白いの。

香りの感じ方も天気や体調によって違うしね。

香水それぞれにもイメージやコンセプトがあって、それを知ってから嗅ぐと、もっともっと良い香りに感じたりすることもある。

いろいろ試して、自分だけの香りに出会えた時は感動するよ〜』

私を香水沼にはめたい友人の圧をものすごく感じながら(笑)、特にチョコレートやカカオの香りが入っているアトマイザーをピックアップし、お借りすることになりました。



お借りしてきたものがこちらです。

【SERGE LUTENS】

→公式サイト

セルジュルタンスはフランスのメゾン。

ブランド名はこのブランドを立ち上げた方のお名前です。

面白いのが、この方は調香師でもなんでもなく、映画監督、写真家、ヘアスタイリスト、メイクアップアーティストなどの経歴を持つアートディレクターであるということ。

セルジュルタンスはご自身の香水のことを、

『幻影であり実体でもある深い存在、人の影であり、自身を投影する贅沢な蜃気楼、の中の、豪華な宮殿を内に秘めた、甘美なクリスタルの世界である』と表現します。

どの香水にもそれぞれのテーマに沿った詩がついているのですが、それがなんとも幻想的。

一筋縄では行かないような、芯の強い個性的な香りが多い印象です。

サンタルマジュスキュル(夢物語のサンダルウッド)

"少年の魂は、いつも教室の天窓を通り抜け、夢の国を漂う。

やがて先生の厳しい声が、彼をこの世界へと引き戻す―「ルタンス!」

ノートに流麗な飾り文字で綴られた、空、花、狼、お姫様…。

白檀の香りは甘くほろ苦く、遠い日の情景のように。"




トップノートターキッシュローズ

ミドルノートトンカビーン、ローズウッド

ラストノートオーストラリア産サンダルウッド、ココア


メインはサンダルウッド、落ち着く木の香り。

後半はローズが立ち上がってきて柔らかい印象に。

カカオは薔薇の奥にひっそりいる。さりげない。

カカオ感は強くないけど、華があって優しい香りだと思う。ほ〜っとついていってしまいそう。

ヴェティヴェールオリエンタル(東洋のヴェチバー)

"ヴェチバーは、奥底に秘められた潜在的な何かを呼び覚ます。魔女の石と化した髪のごとく謎めいたヴェチバーの根から官能的な絹の温かさを見出す。

それは誇り高き東洋のベルベット。"




トップノート:樹液、アイリスパリダ

ミドルノート:ベチバー、ガイアックウッド、ダークチョコレート、ムスク

ラストノート:アンバー、オークモス、サンダルウッド、ラブダナム


雨の日の草の匂い…。ジュースも緑色をしています。

構成に植物っぽい名前の香りが多いことからもなんとなく想像がついていたのですが、思ったとおりウッディ一直線という感じでした…。木の皮や苔の匂いもしてきそうな…

雨と土と葉っぱを感じる香り🌲

チョコはどこにいるのかちょっと分からなかったけど、情景が浮かぶ香りで凄いと思いました…!

ファイブオクロックオジャンジャンブル(ジンジャーが香る午後5時)

"ジンジャーが香る午後5時

作法、ルール、格式。

ときに堅苦しくもあるこれらの言葉は、エレガンスのために欠くことのできないもの。

19世紀、英国、午後5時、お茶の時間。

正しく服を着こなしたひとびとが、

ジンジャーの香り高い砂糖菓子や紅茶を優雅に楽しんでいる・・・"




トップノート:ティー、ベルガモット

ミドルノート:ジンジャー、シナモン

ラストノート:カカオ、ハニー、アンバー、パチョリ、ペッパー


最初はさっぱり紅茶と柑橘系の香り。そのあと出てくるのは断ッ然生姜感。スパイシーな香り。

ベースにカカオの文字が見えるんだけど…、私にはコカ・コーラの香りに感じました。笑

ジンジャーとベルガモット、ハニーの香りでそう感じるのかも🤔

肌に乗せると甘みを感じる爽やかな香りに。


カカオ、見つからないなー…と思いながらじーっと待っていると、最後の方にヒョコっといました😂

なんだろう、チョコクッキー的な…?

ジンジャーとシナモンのおかげか、甘いチョコレートというよりは、香ばしいクッキーのような雰囲気がします。ほんのりいる。

時間が経って消えていくまで、甘く爽やかに残っていました。



【Abel】

→取扱サイト

ワイン醸造家のフランシス・シューマックが立ち上げたオランダのメゾン。使用する原料は最高のオーガニック原料と天然単離香料のみ。

グラスに注がれた瞬間もなお変化し続けるワインのように、生きている香水。人の肌や体温との化学変化で何通りにも変わっていくフレグランス。

世界最高の天然香水を作ることを目指しておられます。

日本ではNoseショップという香水屋さんに取扱いがあります。

COBALT AMBER(コバルトアンバー)

"昼は夢に生き、夜は現と向かい合う。

ただ心のおもむくままに。

見据えた未来への道すじ。

足元にゆっくり視線を落とす。

胸の内で拾い上げた小さな不安はやがて、空色にとけてゆく。"




トップピンクペッパー、カルダモン、ジュニパーベリー

ボディカカオ、トンカ、ペルーバルサム

ベースアンバー


この中では一番サッパリ!

シュワシュワのジンジャーエールのスパイス感に、カカオの香りをそっと移したような。

そしてラストはソーダから炭酸が抜けて甘みが増してくるあの感じに似てる。

パレドオールのショコラネスパが真っ先に思い浮かびました。爽やか!夏に良さそう。

残り香はちょっとトーンダウンしてお香っぽい感じに。

【生まれて初めてたくさんの香水に触れて】

他にも友人チョイスでいろいろなアトマイザーをお借りしたのですが、香りにチョコレートが含まれているのがこの4つでした。

この中では、優しい薔薇の香りの中にカカオがいる、サンタルマジュスキュルが好きです。

秋に似合いそうな香り。

コーラっぽいファイブオクロックオジャンジャンブルと、ジンジャーエールっぽいコバルトアンバーの対比も面白かった。

どちらも夏っぽいです。

甘めのグッドガールは冬に、グリーン感の強いヴェティヴェールオリエンタルは夏から秋にかけて纏うのが良さそう。

なかなかの量だったので、日を分けながら少しずつ香りを確かめていましたが、クンクンしているうちに、チョコレートのテイスティングのようだな、と思うようになりました。

いろいろな香水に出会う度、香りの経験値が貯まっていく。それはチョコレートを食べて味覚の幅を広げていくことに似ているかもしれません。


香水の面白いところは、肌に乗せるとその人の肌質や体温によって、香り方が変わるところ。

自分では、ん?と思った香りでも、他人が纏うと物凄く良い香りになることがある。逆もしかりで。

自分好みの香水を探そうと思うと、その点が難しい。けど、楽しい時間でもありました。


嗅覚の面でももちろんですが、そういった面からも、香りの感じ方、表現の仕方が、同じ香水でも人によって全然違ってきます。

相手の表現になるほど、と思うところも多々あり、この香りをいかに言語化するか?というのにはとても悩まされました。言葉の練習にもなったような気がします。笑

まさに未知の世界でした。

苦手意識のあった香水ですが、香りの背景や誕生秘話、香りの魅せ方など、知れば知るほど面白くて、もっと潜ってみたいと思うようになりました。


長々と書き綴りましたが、これはまだまだ入り口でした。この記事を前編として、続きを後編に分けようと思います。

良ければまた読んでやってください(*^^*)

(→チョコレートの香水を嗅ぎまくってきた話【後編】)

→チョコレートの香水を嗅ぎまくってきた話【総集編】

友人が貸してくれたようなアトマイザーは、

楽天でも購入ができるそうです。

こちらの香水の館さんは、種類が多くて大変おすすめです!

→香水の館


もしこの記事がお役に立ちましたら、
ご感想を頂けるとすごく嬉しいです…!
Mallowを応援する

ブログ アーカイブ

QooQ