前回友人と共にアトマイザーを嗅ぎまくり、いろいろな香りの経験値を得たMallow。→【前編】
お借りしたアトマイザーでは『これこそチョコレート!』と言える香りに出会うことができず、何だか不完全燃焼。
自分が求める香りとは??を深く考えることになりました。
・普段使いしたい?
・リラックスタイムに使えればOK?
・甘い?苦い?フルーティ?スパイシー?
そう、チョコレートの香り一つ取っても様々。
これぞ!を求めるには、なかなかに幅広く、チョコ香水自体も思った以上にたくさん存在しています。
そこで、前編で友人に教えてもらった近道を参考に、自分の好みから外れない香り、というのを探っていくことにしました。
【高校時代の私が、最後まで捨てなかった香水】
香水に憧れていた頃、バイト代で小さな香水瓶を買ったり、友達の買い物に付き合ったりしては、
『なんか違うな…』『やっぱ香水って難しいな…』と思いながら、結局ものに出来ず、興味も離れてしまいました。
その中でも、良い香りだと思ったものをいくつか覚えていたので調べてみると、こんな感じに。
【サルヴァトーレ フェラガモ インカントドリーム】
TOP:パイナップル、ブラックカラント、マンゴー、ピンクレディアップル
MIDDLE:ピオニー、フリージア
LAST:ホワイトムスク、サンダルウッド
【エスカーダ アイランドキッス】
TOP:オレンジ、パッションフラワー、マンゴー
MIDDLE:マグノリア、サニーアコード、ホワイトピーチ
LAST:ハイビスカス、ブロンドウッド、ムスキーノート、レッドフルーツ
【ジャンヌアルテス サン】(現在は廃盤)
TOP:パイナップル、すずらん
MIDDLE:ピーチ、すみれ
LAST:ムスク、サンダルウッド
【ジェニファーロペス スティル】
TOP:日本酒・ホワイトペッパー・マンダリン・アールグレイ
MIDDLE:ピンクフリージア・ハニーサックル・オレンジフラワー・ローズ・ワイルドジャスミン
LAST:サンダルウッド・ムスク・アンバー・オリス
中でも気に入っていたジャンヌアルテスのサンは実家に、ジェニファーロペスのスティルは、結婚してからも一緒に持ってきていました。
実は手元に残したこの2つ、紅茶の香りがベースになっているという共通点が。
また、それぞれの香水に入っているものを見ていくと、私は南国フルーツや桃、リンゴ、サンダルウッド、ムスクの入った香りを好んでいる傾向がありそうです。
紅茶などのお茶の香り、フルーティ系ならある程度外れずに受け入れられそう?
無意識で選んでいたけれど、自分の中には思っていたよりかなりしっかり、香りの好みがあることを認識。
まずはこれを自分の基準とすることにしました。
【無印良品やFrancfrancでアロマを漁る】
友人の言葉に習い、次にアロマ系の商品が置いてあるお店を巡ります。
店頭に置いてある商品を片っ端から嗅いでいったところ、
どうしても受け付けなかったのはシダーウッド(雨の日の草木の香りに似ている)の香り。
あとはレモン、ベルガモットの中でも酸を強く感じる香りが苦手なよう。
お花だと、ジャスミン、ローズは比較的良い香りに感じることが分かってきました。
だんだん絞られてきた感じがする…!
【いざ、百貨店へ】
ある程度絞られてきたところで、香水なら何でも揃うだろうという気持ちで百貨店へ足を伸ばします。
…が、コロナの影響で、ほとんどのブースにカバーが掛けられており、簡単に試香が出来ません…。
(店員さんに声をかけるにはハードルが高かった)
そんな中で唯一香りを試せたのがこちら。
■Le Couvent des Minimes(クヴォンデミニム)
2004年にフランスで誕生したスキンケアブランドで、『ロクシタン』の姉妹ブランドでもあります。
100%ヴィーガン。
私が手にとったのは、エルメスの元調香師を務めた経歴のある、ジャン・クロードエレナさんが監修しているフレグランス。
【シンギュラーオーデパルファム アッタイ】
"自然の象徴である希少な動物たちの魅力的な個性を表現したオーデパルファム。
神出鬼没の雌オオカミをイメージした、レッドペッパーコーンとアンバーウッドのグルマンな香り。"
TOP:レッドペッパーコーン
MIDDLE:ココア
BASE:シナモン、アンバーウッド
…このかっこよすぎるパッケージ…震えました…
神出鬼没の雌オオカミの香り…にココアが混ざっている…?
香りの構成的に、自分の好みから大きく外れることはなさそうな予感。
友人のアトマイザーの中にもなく、検索でも見つけられなかった香水でした。自分が初めてゼロから出会えた香りだと思うと、ちょっと興奮。笑
カードに吹きつけてもらって香りを確認…
レッドペッパーコーンがピリッと香ったあとに、シナモンとココアがギューンと立ち上がってきます。
例えるなら、ノンシュガースパイシーココア…。
甘くない。でもチョコレート。
なんとも、落ち着く香りです。華やかさはないんですが、何度も嗅ぎたくなってしまう、心惹かれる香り。
冬が似合いそう…。
他のラインナップもかなり素敵で、特にサイガという名前の香水は、爽やかなお花の香りで、とても良い香りでした…!
素敵すぎるのでカード全部もらってきた( ;∀;)笑
【帰宅後、更に検索の海へ…】
その日はそのまま帰宅。
持ち帰ってきたムエットをくんくんしながら、
私が求めるチョコレートの香りとは??を再び考えていました。
もちろん、チョコレートそのままの香りがすれば一番なのですが、チョコレート臭を振りまきながら街を歩くのは、ちょっと勇気がいる気がする。
どうせなら普段使いしたいし…。
好みの傾向から考えて、恐らく惹かれるのはフルーティ系。
フルーツとカカオが合わさった香水があれば、嫌いになるわけがないのでは???
『フルーティ チョコ 香水 』検索。
… あ っ た 。
多分これ好きなやつだ…と思う香りが、大阪にあることを突き止めました。
【香水を求めて大阪へ】
まさか香水1つでこんなことになるとは\(^o^)/
電車に乗りつつ、数日前にアトマイザー1つもらって、ワクワクしていた自分を思い返し震えます。笑
しかし思い立ったら最後まで確かめないと気がすまない性分なので!!
このまま!!突き進む!!
お目当てのお店に行くまでの間、せっかく大阪に来たので百貨店の香水売り場を少し巡りました。
ジョーマローンの売り場はかなり積極的に試香させて下さって、いろいろ嗅いでみたかったので大変嬉しかったです。
(売り場のお姉さんがおすすめしてくれたのはMyrry&Tonka。ラベンダーの奥にひっそりバニラが香る良い香りでした)
ブルーアガバ&カカオの香水が気になっていたのですが、既に廃盤になっていて店頭に並んでおらず…。
他の売り場は場違い感が半端なかった。
『小娘…何をしに来た…』感が凄かった(個人の感想です)
そんな空気にもめげず、気になっていた香水をいくつかお試しさせてもらい、候補の一つでもある紅茶の香りも含め、リストアップしていた大体の香りは確認できました。
しかしどれも求めていたものではなかった…
(貰ってきたムエットたち)
そしてやってきたのがこちら。
グランフロントにあるNOSEショップさん。(→公式サイト)
世界各地のニッチなフレグランスを取り扱っているセレクトショップです。(前編にも登場)
キャッチコピーは『Follow your NOSE.(自分の鼻を信じて進め)』
(※現在はルクアイーレ4階に移転されています(2022/1/29追記)お店に入ると、オシャレなお兄さんが出迎えて下さいました。
チョコレートの香りの香水を探していることを伝えると、前編に出てきたAbelのコバルトアンバーと、他二種類をおすすめして下さいます。
1つはORTO PARISIのBOCCANERA(ダークな口)。
かなりビターなチョコレートの香り。
雰囲気は前編のヴェティヴェールオリエンタルに似ているかも。ウッディで深く、すごく苦い感じ。
もう一つはAGONISTのSAY YES(全身全霊の肯定)。
こちらは香りの構成にチョコレートは入っていないのですが、ヘーゼルナッツやバニラ等の香りの比率が絶妙で、纏っているとチョコレートのような香りに感じる、というもの。
めちゃくちゃ美味しそうな香りで、正直結構揺れました…。コンセプトも素敵。
(ボッカネラのムエットを末っ子に噛まれてしまった)
最後の一つがお目当てにしてきたこちら。
■Histories de Parfums(イストワール ドゥ パルファン)
「嗅覚で読む本」
Histories de Parfumsは、香りを通して物語を思い起こさせるようなコレクション。
著名なキャラクターや神話をモチーフにしています。
香水瓶も本を模した箱に包まれていて、箱が並ぶと図書館のようです。
調香師であり料理人でもあるジェラルド・ギスランが、2000年にフランスでメゾンを設立しました。
料理と同様に、情熱、ノウハウ、そして創造性が香りを作る上でも重要であり、卓越したクラフトマンシップにより素材の良さを引き立て、調和する芳香を奏でることを目指しています。
私が手にとったのはCULT BOOKSというシリーズ。
その時代の官能美を切り取った香りだそうです。
【1969】
"官能的で刺激的なスパイスの香り。
この贅沢なオリエンタルなパフュームは 60年代のカルチャーのエロティシズムを神秘的に思い起こさせる。"
TOP:トロピカルフルーツ、ビロードピーチ
BODY:ローズ、ホワイトフラワー、カルダモン、クローブ
BASE:パチョリ、ショコラ、カフェ、ホワイトムスク
トロピカルフルーツと!桃と!チョコが入っている!!!
この時点で恐らく好きな香りであることがなんとなく想像出来たのは、これまでの経験値の賜物だと思いました。
実際に嗅いでみると、最初に現れるのは桃のコンポート。煮詰まってるやつ。
フレッシュなやつじゃないのがまた良い。
桃は最後まで香りを残しながら、お花やチョコレート、コーヒーの香りに移り変わってトーンダウンしていく感じ。
まさにフルーティチョコレート。
美味しそうだけど、スパイスのおかげか甘すぎることもない。
結構華やかに香り立つのと、甘みも少しあるので、秋から冬にかけてが似合いそうな香りです。
手首よりは腰より下につけたほうが良いかも。
一度ムエットをもらい、肌に乗せてからお店の外を数時間歩き回って、うーんと考え、やっぱり好きな香りだな!!!と思い、そのまま戻って購入しました。
香りの経験値の蓄積と、膨大なネットサーフィンの末に、ようやく1本。笑
長かった。いろいろ探し回った末、私が纏いたいチョコレートの香りはこの香水になりました。
香水を1つ選ぶのってこんなに大変だったのか…としみじみしながら、同時に幸せな気持ちを抱きつつ、ほくほくと帰路についたのでした。
【探究心、再び】
ここからはチョコレートの話無視の、
完ッ全に趣味の領域なので、ご興味のある方のみどうぞ。笑
大好きなチョコレートの香りを、自分の力で探し出した達成感に浸っていたある日。
オーダーメイドフレグランスなるものの存在を知ります。
何やら、オーダーシートというものに、自分の好きな食べ物や好きな色、普段使っている香水などを書き込み、調香師さんのカウンセリングを受けることで、オーダーした人のイメージに合う香水を調合してくださるとか…??
更に二次元に存在する推しの香りも、オーダーした人の妄想補完で作ってくださる、しかもなかなかの完成度ときた。
めっちゃ気になるので行ってきました。(ドン)
純粋に、好奇心でした。
自分のことを知ることから始めて、ようやく選ぶことが出来た1本の香水と、
カウンセリングを受けることによって生まれてくる香水。
他人の目と自分はどれくらい近づくのか。
そして…妄想から生まれてくる推しの香りとは一体???
実体のないものから香りが生まれるとはどういう???
気になりながら当日。
事前にメールで予約フォームを打ち込むと、24時間以内に折り返しのお電話があり、会話が出来た時点で予約成立となります。
場所は神戸の元町。神戸パルパローレのエレベーターを上がった先に、お店の看板が見えました。
『Dance』さん。→公式サイト。
お店に入るとキレイなオーナーさんが奥に座っておられる…。アシスタントさんが一人。
最初に例のオーダーシートを記入します。
今回は大変気になったので自分用と推し用、2枚分…。
(私の推しに関してはTwitterで何度か誤爆しておりますので割愛します🤣)
自分の紙はサラサラ〜っと書きましたが、推しに関しては公式設定も薄いので完全に妄想補完です。
『こちらにキャラクターの名前もお願いします』
と言われて手が震える🤣
名前を見たオーナーさん、ポツリ。
『あーこの方、ドラゴンストームさんの次に出てくる人ですよね?』
『😳』
『このジャンルってこれまでほとんど名前を聞きませんでしたけど、最新作になってからやたらとドラゴンストームさんのお名前を聞くようになって。この方より上の人がいるというのに、大変人気で…。ご注文をよく受けますよ、ドラゴンストームさん。Mallowさんの推し様もその時にお名前を拝見したことが』
『あわわわ』
このオーナーさん只者じゃないぞ…😇
(分かる人にだけ分かれば良いと思って伏せていますが、オーナーさん、普通に名指しで聞いてきました。ヒェッてなりました)
次にABCDEの札が貼られた瓶を渡され、
その中に入った香りから、それぞれの香水のイメージに近い香りを選択。
推しにはサッパリしつつウッディさも感じる香り(シトラス系?)、
私が選んだのはあれなんだろう?フルーツ系なのかな…。バニラっぽい甘さのものともう一つで悩んで、結局甘くない方にしたんだけど、上手く表現できない良い香りでした。
他にはシダーウッド的なグリーンの香りも。
オーナー様いわく、
『ここで選ばれた香りから、お好みの香り、苦手な香りをある程度判断できます』とのこと。
そしてその後はカウンセリングタイム。
長くなると思われたのか推しから解説を頼まれました。笑
いろいろ語りましたがざっくり簡単に。
・明るく人懐っこい性格
・勝負に対する情熱、執念が強い
・爽やかな中にも男らしさや芯の強さを感じる香りになると嬉しい
的なことをお伝えし、自分が思う一番推しらしい画像を見て頂きました。
しばらく聞いていたオーナー様より、
『こちらは推し様とのペアリング香水ですか??』
と聞かれてビックリ😲😲😲😲
全く考えてなかったけど、そういう需要もあるらしい…😂✨
なるほど、お勉強になりました。笑
私のカウンセリングのときは、ひたすらチョコ屋の話してました。
さすが神戸にお店を構えるオーナーさん、お菓子の知識も豊富で、お話していて楽しかったです。
イメージする香りに関しては、可愛いけど甘すぎない優しい香りをと。
カウンセリング自体は30分程だったでしょうか。
『では調合していきますね』
と瓶に香りを詰め始めたオーナーさん、手つきに一切迷いがない。
『えっ…めっちゃ早い…』
『イメージが固まったら迷わないんですよ』
言ってる間に香水完成。15分位か??
思わず早っ!と言ってしまった。笑
完成してしまった。オーダーメイド香水。
ムエットを頂く。
一体どんな香りが。
くんくん…
『…あ…りんご?』
『りんごです(*´ω`*)
最初はフルーティで爽やかな感じに、あとから甘く大人っぽい感じに変化していきます』
めっっっちゃいい香りです(驚愕)
『そしてこれは推しさんです』
あっこれは推しです!!!!!(驚愕×2)
こちらが完成した香りの構成。
私の香りは手前側。驚きました。
最初に自分の基準にした香水の中にあった、『リンゴ、ローズ、ジャスミン、ムスク、サンダルウッド』が入っているんです。
もぎたてのリンゴに齧り付いたような、果汁を感じる程フルーティな香りのあとに、お花と木の香りがふわ〜っとやってきて、とっても落ち着く😭
好きな香水を聞かれたときに、手元に残した香水二種類を記入したので、そこから導き出されたものもあると思うのですが、オーナーさん、私が書いた香水を調べておられる様子もなかったので、頭の中に膨大な香水データベースがある可能性…??
そして個人的に梨には御縁があるので、入っていると知ってちょっと嬉しかったです。
推しの方はもう完全に私の妄想から出来上がった香りですが、ほぼイメージ通りでビックリしました…。
オーナー様曰く、
『最初は爽やかに、スポーツ選手のようなイメージ。徐々にスパイシーになって、最後は甘くなります』とのこと…
私、推しの好きな飲み物欄を紅茶で埋めてあったんですね。
イギリスにいらっしゃるので良く飲んでいるのではと。
トップに入っている香り、全てお茶に使われる香りなんです…。特にベルガモットはアールグレイに。
ベルガモット…苦手だと思ってたのに他人の香りだと思えば大丈夫…。候補にあった紅茶の香りがこんな形で完成するとは…
そしてペアリング香水ではないとはいえ、両方の香水にジャスミンが入っていたことが地味に嬉しかったという…。笑
検証の結果!!
Mallowに外から見た人のイメージで香りをつけるとリンゴ🍎になる!!!
とても良い体験になりました。
ありがとうございました!!
Danceさんはネット注文やオンラインカウンセリングでもオーダーを受け付けておられるので、遠方の方もぜひ!
【香水の海に飛び出してみて】
最後の最後に暴走しましたが、ここまでお付き合い下さってありがとうございます( ;∀;)
自分で仮説を立ててから、好きな香水に辿り着くまでの楽しさをまとめておきたくて、こんな長さになってしまいました。
『好きな香りを知ることは自分と向き合うこと』
『香りと向き合う過程の中で、新しい自分に出会える』
いろいろと経験してみて、友人の言葉の意味がよく分かった気がします。これまでより香水へのハードルはぐっと下がりました。
苦手意識を持たずにもっと早く知りたかった。
辿り着くまでは長かったですが、きっとこれからは、いろんな予想をつけながら香りと向き合い、楽しんでいけるはず。
せっかくいろいろ嗅がせてもらったので、
後日総集編として、良い香りだなーと思った香水を一つのページにまとめようと思います。超初心者のまとめになりますが、香水がお好きな方や、迷子になっておられる方の助けになれますように。
(……おや?何か増えているような?笑)
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